令和4年8月5日、本市は熊本県に対し、「熊本県の「農業」をテーマとした「広域交流拠点」構想(以下「本構想」という。)の推進に関する提案書」を提出しました。これは、熊本県の主要産業であります「農業」をテーマとし、本市中心部に位置しております県農業公園(カントリーパーク)、農業研究センター、農業大学校のエリアにおいて、民間企業の資金・ノウハウを活用した、県内外のヒト・モノ・カネの流れを活発化させる新たな拠点の整備を目指すものです。
本構想は、旧合志町・旧西合志町合併による市制開始時から掲げていた、本市の重要政策課題の解決に資するものです。
合併時に策定された「合志市新市建設計画」(平成17年 合志西合志二町合併協議会)では、熊本県も参画のうえ「新市の重点施策(構想)」として、県の「バイオフォレスト構想」に基づき、県農業研究センター等が集積している地域へ、食品産業等を呼び込む旨が記載されております。
参考;「合志市新市建設計画」(平成17年 合志西合志二町合併協議会)
第4章 新市の将来像 | 2.新市の重点施策 | (2)バイオフォレスト構想の推進(※) | 医療や福祉、食品の分野で成長が見込まれるバイオ産業を半導体産業と併せ新市の基幹産業として位置付け、九州・沖縄農業研究センター、県農業研究センター等が集積している地域への誘致を推進します。また、同地域には国立療養所が立地しており、国・県と連携を図りながら高次医療機能のさらなる充実に努めます。併せて、アクセス性向上のため国道387号の整備を働きかけます。 |
※「バイオフォレスト構想」について定めた「熊本県工業振興ビジョン」計画期間終了のため、令和2年12月の計画変更にて「健康ファクトリー構想」に名称のみ変更
本構想は、この「バイオフォレスト構想」のうち、食・農業にフォーカスしたものです。
「広域交流拠点」では、民間企業のノウハウを活用しながら、農業のスマート化や農商工連携、ブランド化を推進し、農業の価値や農家の所得向上による「稼げる農業」の推進を図ります。さらに、県農業研究センターや農業大学校と民間の食品メーカー等とのコラボレーションによる新たな農産品や食品の共同開発を促進します。また、グランピング等の宿泊機能も設けることで、食・農業を家族で体験し、癒しや健康、子どもの情操教育に繋がることも期待できます。
県農業公園は現在、周辺住民の憩いの場としてだけでなく、県内有数のイベント会場としても活用されています。一方で、イベントのみに頼らず、県内外から常に来場があるような場となる可能性もございます。「広域交流拠点」整備により、「食」や「農業」に関する共同開発等で生まれた食品の販売や試食の場を設け、また、日用品の販売店等と比較して遠方からも来客が見込め、家族や友人と買い物を楽しめるアウトレットモールの整備を図ります。これらの事業により、”常設“の観光・商業施設が整備されることで、農業公園の知名度を更に高め、来場者の増加も期待できます。
熊本県は現在、「シリコンアイランド九州」の復活を目指し積極的に活動しています。TSMC進出を機に、合志市や周辺地域には半導体産業の集積が期待されており、進出する企業の従業員やその家族の生活の質の保証・向上も大きな課題のひとつです。本構想はこの解決に資するものです。
一方で、本構想の実現にあたっては、課題もいくつかあります。特に、国・県道は朝夕の通勤時間帯を中心に渋滞が発生する中、周辺の交通インフラ対策は喫緊の課題であり、熊本県や関係機関とも連携しながら早期解決を図ります。
本構想は、中九州横断道路の早期開通や平成28年熊本地震からの創造的復興に資するものです。
市民・県民の皆様には、本構想について御理解いただき、実現に向けて御協力をお願いします。