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豊岡宮本横穴群(市指定文化財)

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    豊岡宮本横穴群
 横穴とは崖面に横から掘って作られた有力者の家族墓です。この豊岡宮本横穴群は、古墳時代後期(約1500年前)のもので、約7万年前の阿蘇山噴火による火砕流でできた凝灰岩につくられています。
 豊岡の竹迫日吉神社北側にあり、正面には塩浸(しおひたし)川が流れています。平成15年、川のがけ崩れを防ぐ工事の際に発見され、発掘調査、保存・整備工事を経て、現在は見学路や説明看板が整備されています。
 発掘調査の際、12基の横穴が確認され、多くの副葬品や人骨が発見されました。保存工事では、そのうち2号墓、3号墓、7号簿の計3基を公開し、残り9基を穴の存在がわかるかたちで埋め戻して保存しました。公開されている3基のうち、2号墓と3号墓は穴の残り具合が良く、7号墓は発見の際に工事で削られてしまいましたが、結果として横穴内部の構造がわかりやすい状態になっています。
 この7号墓では副葬品や人骨は確認されませんでしたが、壁面の残りが良好で、幅10cm前後の「U」字状の工具類で削って加工した跡がはっきりとみられます。
 副葬品は、奄美諸島から南側でとれるイモガイ製の貝輪(ブレスレット)や金環(金メッキがほどこされた耳飾り)、ガラス玉・勾玉などの装身具類、武器である鉄鏃(てつぞく)(やじり)や、刀子(とうす)(小刀)、馬具などが出土しました。
 人骨は全部で31体分が確認され、なかでも11号墓からは最も多い9体分が出土し、9号墓では骨を置き直した痕跡があることもわかりました。
 豊岡宮本横穴群は、古墳時代後期におけるこの地域の死者を葬る儀式の形態や風習などがわかる、学術的に貴重な遺跡です。現地では、写真付きの説明看板が設置されており、穴の入り口をのぞけば内部を見ることができます。出土品は、合志歴史資料館に展示しています。
 
所在地:合志市豊岡312-2
 
 
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