防災士連絡協議会員を対象としたスキルアップ訓練「クロスロード」を開催しました
7月5日(土曜日)に合志市防災士連絡協議会は合志市防災拠点センターで、SP防災士育成訓練と併せて防災士会員を対象としたスキルアップ訓練を実施しました。当日は会長及び支援者4名を含め計28名が参加し、「クロスロード」を行いました。
「クロスロード」とは、災害対応時の意思決定を模擬する目的で設計されたシミュレーション教材であり、参加者は「YES」または「NO」の選択肢から解答を選び、その理由についてグループ内で発表・共有します。本教材は、阪神・淡路大震災時の神戸市職員へのインタビュー結果を基に開発されており、参加者が多様な意見と価値観を理解し、災害発生前から対応要領について自らの問題として主体的に検討できることを狙いとしています。
訓練内容
訓練は、4つのグループに分かれて、参加者が災害対応に関する課題に対し、「YES」あるいは「NO」を選択し、その理由についてグループ内で意見を交換してもらいました。また、柔軟な思考と互いの意見を尊重することを狙いとして、一部の設問ではグループ内で討議のうえ、代表回答を作成し発表してもらいました。
(訓練課題一例)
問:あなたは「避難所の責任者」です。
地震からも時間が経ち、近隣のスーパーも営業を再開していますが、避難所で弁当を配布する時間が近づくと弁当をもらいに来るだけの人がいます。あなたは弁当を配布しますか?
問:あなたは「避難者」です。
非常持ち出し袋を持って避難所に避難してきました。しかし周りの人は,水も食料もなく、避難所から配布される見通しもありません。空腹なあなたは,その人たちの前で、水や食料が入った非常袋を開けられる?
なお、訓練課題のような災害対応には絶対的な正解は必ずしも存在せず、過去の事例が常に最適解になるとは限りません。
状況や立場に応じた柔軟かつ誠実な判断・対応が求められます。

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髙山会長あいさつ | 会場のようす | 日髙防災対策支援官による訓練概要説明 |
今回の訓練では、多くの参加者が初体験だったこともあり、「日常では意識しない新たな視点に気づくことができた」「他の防災士の意見を聞くことで自分の考えの幅が広がった」などの声が上がり、知識や経験を超えた多角的な学びの場となったことが伺えました。
また、グループごとの議論を重ねる中で、災害時に求められる柔軟な思考や、状況に応じた最善策をその場で選択する重要性について再認識する機会となりました。こうした実践的な訓練は、地域の防災力向上に直結するだけでなく、防災士一人ひとりの意識変革にも大きく寄与するものと感じました。
本年度は、防災士として必要とされる知識・技能および意識のさらなる向上を目的とし、年間4~5回のスキルアップ訓練を計画しています。次回
は、8月7日(木曜日)に熊本県防災拠点センターで「防災施設研修」を予定しています。