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人権教育シリーズ56 ~西合志中央小学校の取り組み~

最終更新日:
 
 合志市では、部落差別をはじめあらゆる差別をなくすために、様々な取り組みを行っています。市内小・中学校でも、人権教育を通して差別をなくす取り組みをしています。今回は西合志中央小学校について紹介します。

















 
  

地域に信頼される学校づくり

西合志中央小学校校舎


令和5年度の本校児童数は、800人を超えました。年々増加しておりますが、子ども達一人ひとりが安心して通うことができる学校、学ぶことが楽しいと思える学校、保護者が安心して通わせることができる学校、地域に信頼される学校づくりを目指しています。そのためには、まず人権教育を全ての教育活動の基盤に据えて推進していくことが重要だと考えています。いじめや差別を「自分だけは絶対にしない」という心や態度を育てることから、いじめや差別を許さず、無くしていくために行動できる児童の育成を目指しています。


 

子ども達と一緒に教職員も


 そんな人を育てていくためには、まず、自分の言動のどこに差別心があるのかということに気づく必要があります。気づくためには学ぶ必要があります。そこで、本校では 次のことを大切にしながら人権教育を進めています。まず、日常的な取り組みとして、例えば 学級の中でトラブルが起きたとき、自分と相手の関わりを通して見えてくる心の中にあるものを、一つ一つ丁寧に掘り起こしながら自分自身の言動を振り返る学びを大切にしています。また、年間に2回位置づけている人権月間の取り組みでは、なかまづくりや現代社会の中にある様々な差別問題などを学ぶことで、お互いを認め合いながら自尊感情を高めたり、差別を見抜いていけるような基本的認識の向上を図ったりすることをねらった学習を展開しています。更に、教職員も子どもたちと共に考え続けていく必要があるという認識のもと、自分自身の人権感覚を磨き、人権意識を向上させるために年間をとおして計画的な研修を行っています。

 

様々な人権問題に取り組んでいます



 

日常生活からの学び


 人が集まれば、そこには集まった人数の個性や価値観が存在します。学校の中では、それがぶつかり合うことも少なくありません。意見がぶつかり合ったとき、自分の思いを伝えることができる児童もいれば、言い返すことができずに暴言や暴力で表してしまう児童もいます。また、何も言えずに我慢してしまう児童もいます。前2者の場合には、互いの思いを言葉に出してもらい、それぞれが自分自身の言動を振り返り、何を改善していけばいいのかということを考えさせます。トラブルを起こしたことで人格を否定するのではなく、起こった事象についての問題点をはっきりさせて、改善策を考えていくということです。何も言えずに我慢してしまう児童の場合は、気づくことが難しいため、本校では月に1回、心のアンケートを実施しながら実態把握に努めています。同時に、児童の小さな変化に気づく力を教職員個々が身につけておくことが必要であるため、理論的に学んだり、定期的な実践交流をしたりしながら情報交換を続けています。


 

人権月間の取り組み

西合志中央小 人権集会


年間2回の人権月間の取り組みでは、各学年で教材を使った学習を導入として、自分たちの暮らしの中にある問題につなげて考えていく学習に取り組んでいます。教材を活用して学んだことを、学級の中にある事象と関連させて考え、よりよい学級づくりを目指していきます。例えば、5年生では社会科の学習をきっかけとして、水俣病問題について学びを深めています。歴史的な背景や公害病が起こった科学的な原因を学んでいくとともに、「水俣に学ぶ肥後っ子教室」を活用して水俣に行き、講話を聞き、差別の現実を学び、今の自分の暮らしと照らし合わせながら、自分自身が差別やいじめをしないことや、無くしていくための仲間づくりについて考えています。6年生では、ハンセン病問題の学習に取り組みました。自分たちが暮らしている身近な場所にも大きな問題があることを知り、実際に歴史資料館に行き、展示物等を自分たちで確かめながら学びを深めていきました。

 学んだことを通して考えたことは、各学年の人権集会で伝え合ったり、高学年になるとプレゼンテーション資料等を準備して他学年に伝えたり、これからの自分たちの生き方につながるような発信を行いました。


 

教職員の人権感覚・意識の向上

西合志中央小 職員研修



 人権教育を全ての教育活動の基盤に据えた実践を構築していくためには、我々教職員の意識改革、意識向上が必要不可欠です。そこで、年間を通して計画的に研修を行いながら、人権感覚、人権意識の向上及び実践的指導力の向上を目指してきました。

 部落解放同盟合志市支部会長の講話から学んだり、夏休み期間中には中学校区の職員を対象に、講師を招いた研修会を実施したりしました。そこには、新たな価値観に触れる出会いがあり、これまでの自分自身の言動等を思い返しながら学ぶことができる時間となりました。また、2月には、中学校区で実践レポートを通した研修会を実施しました。代表レポートを聞き、お互いの実践を出し合い、「子ども達の思いを受け止め、どう周りと繋いでいく取り組みをしていくか」などについて学び合うことができました。

 

人を思いやることができる子どもの育成をめざして

 子どもたちは、自分の家族や友だちをはじめ、関わりがある人を大切にできる温かい心をたくさん持っています。反面、ちょっとした行き違いで、周りにいる人を傷つけてしまうような場面もまだまだあります。人権教育を繰り返し学ぶことで、「暮らしの中にある差別を見抜き、みんなで解決しようとする力」を身に付けていく教育活動を進めていきたいと考えています。また、我々教職員は、子どもたちの生活の中にある事象の問題点に気づく力を高めるとともに、子どもたちの声を傾聴し、事象の問題点、解決策を一緒に考えて行く姿勢を大切にしていきたいと思います。



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