合志楓の森中学校は開校4年目となりました。旧菊池医療刑務支所跡地(菊池恵楓園隣接地)に建設された本校は、自分らしく安心して過ごすことのできる学校づくりを目指しています。そのために、ハンセン病問題や部落差別問題をはじめ、あらゆる差別の解消を目指し、【差別に気づける自分】、【差別をしない自分】になるために、生徒と教師、そして保護者や地域の方々と連携し合いながら、教育活動全体を通して人権教育に取り組んでいます。
出会いを大切にする人権学習
前期の人権学習では、1年生で水俣学習、2年生でハンセン病問題学習をしました。学習の際は、できるだけ当事者の方との出会うことを大切にしています。今年度も、水俣病語り部の会副会長の杉本肇さんや、菊池恵楓園退所者の会「ひまわりの会」会長の中修一さんに来ていただき、講話を聞きました。「自分たちの中にも偏見や差別心がないか。その差別心で知らずに誰かを生きにくくさせてしまっていないか。」と問われ、自分自身を見つめる機会となりました。差別と向き合い乗り越えてこられた生き方に力をもらいました。これからも、差別する側の問題として、自分自身のあり方を見つめていきたいと思います。
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【中学1年生】杉本肇さんとの交流 (講話) | 【中学1年生】杉本肇さんとの交流 (水俣ハイヤ講習会) | 【中学2年生】中修一さんの講話 |
小・中学校たてわり人権集会
本校は、合志楓の森小学校と同一の校舎で生活しており、小学生とのつながりも欠かせません。前期の人権学習後には、小学校5年生~中学3年生を各学年3つのグループに分けて、たてわり人権集会を行っています。人権学習での学びを通して自分自身を見つめて感じたことや、クラスの人権スローガンについて発表しました。自分を発表の後には、お返しの言葉を伝え合いました。小・中学生が心を一つに、差別やいじめに対する認識を深め、反差別のなかまになることを確認する大切な機会となっています。
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中学校3年生の発表 | 小学生が中学生にお返しでインタビュー |
菊池恵楓園とのつながり
本校では開校当初から全学年で毎年ハンセン病問題学習に取り組んでいます。また、今年度からは、PTAも組織の中に人権委員会を立ち上げ、保護者の方も啓発や学習に参加しています。そのことで、ハンセン病問題や菊池恵楓園のことが学校だけではなく、家庭にも広がっていく機会になっています。また、昨年度からは入所者の方との交流活動も始まりました。今年度は、菊池恵楓園の納涼盆踊りに参加させていただきました。一緒に輪となり踊る中で、「昔はね、一晩中大賑わいだったつよ~」「来年は、お囃子とかけ声まで覚えて来なっせね~!」と入所者の方から優しい声かけをいただき、とても和やかな時間を過ごすことができました。これからもハンセン病に対する正しい認識を持ち、ハンセン病問題についてしっかりと考え、後世に伝えていく生徒を育成していけるよう、つながりを大切にしていきます。
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菊池恵楓園現地学習の様子 | PTA主催の歴史資料館保護者見学会 | 納涼盆踊りでの交流の様子 |