全国の農作業事故による死亡者数は、近年減少する傾向にありましたが、令和6年には287人と、前の年に比べて51人も急増しています。就業者10万人当たりの死亡者数で見ると14.8人となり、ほかの産業と比べてもその差が広がっています。
死亡事故の具体的な原因を見てみると、毎日の作業の中に潜む危険が見えてきます。
- 農業機械による事故が全体の54.4%(156人) を占めており、最も多くなっています。
- その中でも、「機械の転落・転倒」が82人で、機械事故全体の半数以上(52.6%) にのぼります。機種別では、乗用型トラクター(53人)や農用運搬車(26人) による事故が多く発生しています。
- 機械や施設を使わない作業では、「熱中症」による死亡者が59人 と大きく増えています(前の年から22人増)。夏の厳しい暑さは、熱中症だけでなく、体力の消耗からほかの農作業事故を引き起こす原因にもなっています。
トラクターが傾いたり、路肩から落ちたりしたときに命を守るために欠かせないのが、安全フレームとシートベルトです。
- シートベルトで死亡率が大幅に下がります
乗用型トラクターが転倒した際、シートベルトをしていなかった場合の致死率は18%ですが、しっかりシートベルトを締めていれば致死率は2%へと大幅に下がります(※安全キャブ・フレームを立てた状態での併用が重要です)。 - シートベルト装着の義務化が始まります
国のルール(道路運送車両の保安基準)が変わり、令和9年1月1日以降に作られた新車(対象のトラクター)を道路で運転する際、シートベルトの着用が法律(道路交通法)で義務付けられます。違反すると点数1点が課されます。今からシートベルトを締める習慣をつけていきましょう。